2016年8月7日日曜日

駅のエレベーターを探す人

地下鉄のとある駅は今、地上までのエレベーターを設置する工事をしています。

改札からまっすぐ通路を眺めると、エレベーター表示にフィルムが貼ってあるので、もうすぐなのだなあと感じています。
所用でこの駅を使うことが多く、今は地上に上がるときだけ、数年前に階段に設置された昇降機「エスカル」を使わせてもらっています。帰りは少し歩いて一つ先の駅に。昇降機を使わせてもらっているのは昨年あたりからです。

なぜ帰りを違う駅から帰るのかというと、エスカルが設置されてある階段が狭いということに原因があります。
 
エスカルは車椅子ごとゴンドラのように運ぶ機械。階段に沿って設置されているので、その階段の幅によっては誰も階段を使えなくなります。
現実、私がエスカルを使うときは、階段を使って改札に降りようとする方々に待っていてもらうよう、駅員さんが地上の階段付近に立って説明をしてくださいます。

どうも帰りまで人の流れを止めて使うのは…。
駅員さんのことを考えているわけではなく、ただなんとなく頑張れないし、気がひけるのです。
行きだけでもその駅を利用するのは、エスカルが設置されているから。やっぱり行きだけでもその駅を利用したい、エスカルを使わせてくださるのならば避けずに行きたい、どっちつかずなので、単に私のわがままです。

今日、久しぶりにその駅に行った時のこと。改札で精算をしていたら、ベビーカーを押して男性が改札をすうっと通り抜けていきました。
どうもエレベーターを探している様子。一つ一つ表示と階段を確認し、まだフィルムで隠してある表示板の通路に消えて行きました。
ふと、エスカルは車椅子しか使えないことに、今更ながら気がつきました。それと同時に、今はエレベーターを探す人は障碍者だけではないということを実感しました。

エスカルで登って行った先では、ベビーカーを押した家族連れが駅員さんと話していました。
エレベーターのことを聞いていた様子でした。
歩き始めたばかりの女の子が階段を、お母さんに手を引かれて降り始めましたが、階段がその子にとっては急だったようで、すぐに抱きかかえられました。

その子のお父さんがベビーカーを抱えて降り始めた時、何年か前まではこうした光景を気にも止めずにみていたと思いました。
自分も階段があることでどうにもならず、駅員さんと言い合いをしながら階段を降ろしてもらっていたけれども、階段をどんな形であれ上り下りができる人たちに対しては、私の態度は冷たかったように思い出したのです。

今は、エレベーターのない駅に対して、多くの人が違和感や不便を感じる時代になったのだなと思い、人の流れを止めて優先的に、専用に使えるエスカルを使わせていただきながら、複雑に感じたひとときでした。

なので最後に伺ってみました。
いつ頃にエレベーターはつきますか、と。

年末には、着くそうです。待ち遠しいことです。

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